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財団の制度改革-その結果は?-
2014年04月23日

明治29年に発足した財団の制度は平成20121日、劇的に改革されました。

―― 改革とはいかなるものだったのか?

改革以前、その制度は民法によって定められ、明治時代から100年以上に渡って運用されてきました。しかし、政府はこれを一切廃止し、新たに「公益法人三法」を制定することによって、まったく新しい仕組みを立ち上げたのです。

政府は、財団法人という法人格を二種類に分け、それを2階建て構造にしました。つまり、1階に一般財団法人と呼称される法人を設置し、2階に公益財団法人と呼称される法人を設置することで、優遇税制の有無による分類を試みたのです。

 

■一般財団法人

登記と300万円以上の拠出金で設立できる。

税制優遇を受けることはできない。 ⇒ そのため、実態は会社とほぼ変わらない。

 

■公益財団法人

“特定公益増進法人”として、究極の税制優遇を受けることができる。

公益財団法人になるには、政府による厳しい認定審査をくぐりぬけなければならない。

特定公益増進法人とは、財務省の認可により、社会福祉法人、学校法人、宗教法人、公益法人等に対して付与され、特別な税制優遇を受けることができる法人格。

 

この税制優遇のメリットは概ね以下のとおりです。

① 相続財産を移せば、相続税を非課税にできる

② 個人所得の40%までを非課税で移すことができる

③ 企業の税引き前利益の3.75%までが非課税で移すことができる

 

このように、公益財団法人には圧倒的な税制上のメリットが与えられています。しかし、政府としてはそのような法人を増やして税収を減らしたいはずがありません。やはり、そこには認定審査という大きなハードルがあり、簡単には公益財団法人にはなれない仕組みになっているのです。